先進企業から学ぶ!若手女性社員の育成とマネジメント

安倍政権は2020年までに女性管理職比率を30%とすることを目標に掲げています。また、女性活躍推進法が4月より施行され、301人以上の企業は女性活躍に関する行動計画の策定が義務付けられます。女性活躍推進と言われても具体的に何をすればよいのかわからないという企業も多いでしょう。本音のところでは、そもそも女性はあまり昇進意欲がない、すぐ辞めてしまう、育児休業を取るので期待していないという声も聞こえてきます。しかし、労働力不足の中、女性の力を最大限に活用できるかどうかが企業の存続を左右するとも言えます。ここではヒントとして、早くから女性活躍推進に取り組んでいる先進企業へのアンケートとインタビューの結果をご紹介しましょう。

 

21世紀職業財団は、女性活躍推進に枝極的に取り組んでいる先進的企業を対象に、アンケートとインタビューを実施し報告書「若手女性社員の育成とマネジメントに関する調査研究」をまとめました。 今回の調査では、女性の活躍推進がうまく行かない原因として、女性社員自身にいくつか課題があることがわかりました。しかし、上司からの働きかけや企業の取り組みを少し工夫することで、女性社員を大きな戦力に変えることが可能なのです。

 

■「両立への不安」を解消するには

アンケートやインタビューから浮かび上がったのは「両立への不安」「昇進意欲が低い」「育児期と昇進時期が重なる」「自信がない」といった女性社員自身の課題でした。 まず、「両立への不安」をもつ女性が多いという点について見ていきましょう。インタビューによると、女性の場合、仕事が面白いと思っている人でも仕事と家庭の両立がイメージできず、両立できたとしても出産後は短時間勤務になり管理職に昇進するのは無理だと考えていることがわかりました。

 

しかし、身近に子育てしながら管理職になっている女性がロールモデルとして存在する場合は、将来像が描けて多少の試練を乗り越える覚悟ができているようです。 身近なロールモデルを見せるために、会社が女性の社内ネットワーク形成を促進するのも1つの方策でしょう。ロールモデルがまったくいない場合は、出産後の道筋の選択肢を提示するのも有効です。

 

■「昇進意欲が低い」から仕方ない?

女性は男性にくらべて「管理職になりたい」と答えた人が少数でした。報告書では、若手社風の昇進意欲がわかるアンケート調査のデータを分析した結果、女性が昇進意欲を持つには次の3点が必要だとしています。・仕事をおもしろいと感じた経験・男性の残業が少ないこと・ロールモデルの存在1つめのポイント「仕事をおもしろいと感じた経験」について、管理職へのアンケート結果を見ると、仕事の与え方について男女差が生じています。男性部下に、より困難な仕事や黄任の重い仕事を与えていると回答した管理職が3割ほどいました。

 

また、インタビューでは、上司から管理職になることを勧められるといった周りの環境も昇進意欲に影響していることがわかりましたが、昇進への働きかけについても、男性部下に対しては31.7%の管理職が「よく働きかけている」のに対し、女性部下に対しては17.9%にとどまっており、部下の性別により差がありました。報告書では、仕事の与え方や昇進への働きかけについて、こうした男女差が生じている背景には、管理職の側に性別役割分担意識があると分析しています。女性は仕事をがんばるよりも家庭を優先させるべきといった考え方です。特に男性管理職にこうした意識を持つ人が多く見られます。女性社員自身も、そう考えている人がいますが、それも管理職の意識が大きく影響を与えていることが多いのです。

 

インタビューでは「女性は産休・育休があるから育成しても仕方ないという意識が上司にないとは言い切れない」「上司が(育児)短時間勤務者を役職にと思っていない。本人にも以心伝心で伝わるので期待されていないと思ってしまう」といった意見が人事担当者から出ました。 逆にこんな意見もありました。「期待されてがんばろうと思わない人はいない。管理職が期待し、成功体験を味わわせることは大事」。

 

2つめのポイント「男性の残業が少ないこと」について、自分自身の残業時間ではなく、「男性の残業時間」が女性の昇進意欲に影響を与えることがわかっています。長時間働くという男性の働き方を前提として、女性は仕事より家庭を優先すべきという性別役割分担意識をもつ男性管理職が多いのです。 男性管理職がもつ性別役削分担意識を払拭するには、会社が研修を実施するといった取り組みが効果的でしょう。また、全社員のワークライフバランスを実現するための意識改革研修や長時間労働削減への取り組みも必要です。性別役割分担意識ではなく、育児への配慮から良かれと思って、育児中の女性社員には困難な仕事や黄任の重い仕事をさせないようにしているという管理職も多いようです。これも調査結果では、女性管理職より男性管理職の方に多くみられました。

 

しかし報告書では、配慮しすぎは成長の機会を与えないことになるという点に注意が必要だとしています。出産・育児と管理職への昇進時期が重なる人事担当者へのインタビュー調査の中であがってきた課題の1つに「育児休業や短時間勤務が管理職昇進時期と重なる」というものがありました。この課題への対応策として「前倒しキャリア」の取り組みを実施している企業が数社ありました。前倒しキャリアとは、出産・育児期前の早い段階で仕事を任せ、仕事の成功体験や達成感・自信をもたせるというものです。ポジションが人を作るという考えで、まずポジションにつけてみて育成するのです。たとえば、入社後3年でマネージャーを経験させ、難しければ役職を降りさせる。足りないところを学び、チャンスがあればまた役職につける、といった取り組みです。 出産・育児に入る前にこうした経験を積ませることにより、仕事への本気度を高め勇気をもたせることができるのです。こうした経験があれば、出産後に本人も戻ってきやすく、周囲も「あの人だったら|となる効果もあります。

 

■三位一体の改革

女性社員が男性社員と同様に企業の中で活躍していくためには、①女性本人の努力とともに、②上司による育成、③企業(人事部門)の取り組みが必要だと言えます。なぜ女性の活躍を推進しなければならないのかと面倒に感じている企業もあるでしょう。しかし、こうした改革が成功すれば、上司のマネジメントカが上がり、全社員のワークライフバランスが保たれた働きやすい職場になるのです。それはすなわち、男女共に力を最大限に発揮できる強い企業になるということではないでしょうか。

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