転職者、「給与」より「仕事内容」を重視 企業は正社員雇用を4%減

 連合(日本労働組合総連合会)(http://www.jtuc-rengo.or.jp)(所在地:東京都千代田区、会長:古賀 伸明)では、転職に関する調査を実施しました。

 本調査は、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、2012年8月10日~8月21日の12日間において実施し、1,000名<調査対象者:20歳~59歳の転職経験のある有職者(パート・アルバイト含む)、または転職活動者>の有効サンプルを集計しました。

<1>勤務経験

◆これまで経験した雇用形態「非正規のみ」 20代男性18.4%、20代女性37.6%
◆これまで経験した勤務先数 平均4.4社、非正規雇用スタートでは平均4.9社

 20歳~59歳の転職経験のある有職者(パート・アルバイト含む)、または転職活動者1,000名(全回答者1,000名)に、学校卒業後に経験したことがある雇用形態を聞いたところ、全体では「正規のみ」が37.0%、「正規+非正規」が45.4%、「非正規のみ」が12.6%となりました。
 男女別にみると、男性では「正規のみ」が52.6%と半数以上で女性(21.4%)の2倍以上の割合となっており、女性では「正規+非正規」が56.8%と半数以上となりました。また、性年代別にみると、男女とも若い世代ほど「非正規のみ」の割合が高く、20代男性では18.4%(30代7.2%、40代2.4%、50代0.8%)、20代女性では37.6%(30代18.4%、40代8.8%、50代7.2%)という結果となりました。

 次に、これまでに経験したことがある勤務先の数(パートやアルバイト、自営業・フリーランスとして勤務した場合も含み、同一組織内の転勤・異動・出向の数は含めない)を聞いたところ、平均は4.4社となりました。
 男女別に平均をみると、男性4.1社、女性4.8社と女性の方が多くなり、学校卒業後最初に勤務した雇用形態別では、正規雇用で勤務経験をスタートさせた758名の平均は4.3社、非正規雇用で勤務経験をスタートさせた225名の平均は4.9社と非正規雇用で勤務経験をスタートさせた回答者の方が勤務先の平均数は多くなりました。

 これまでに経験したことがある勤務先の数を正規雇用で経験した勤務先の数と非正規雇用で経験した勤務先の数とに分けてみると、これまでに【正規雇用】で経験したことがある勤務先の数では、全体の平均は2.1社となりました。男女別にみると、男性2.5社、女性1.8社と、正規雇用での経験勤務先数(平均)では男性の方が多くなりました。
 次に、これまでに【非正規雇用】で経験したことがある勤務先の数をみると、全体の平均は2.3社となり、男女別では、男性1.6社、女性3.0社、年代別では、20代2.3社、30代2.4社、40代2.2社、50代2.2社となりました。また、学校卒業後最初に勤務した雇用形態別では、正規雇用で勤務経験をスタートさせた758名の平均は1.7社、非正規雇用で勤務経験をスタートさせた225名の平均は4.1社と非正規雇用で勤務経験をスタートさせた回答者の方が非正規で経験勤務先数(平均)は多くなりました。

<2>転職活動

◆転職先探しで50代が利用した経験があるものは?
◆転職する際に役立ったもの トップは「資格」、「見た目」も3人に1人

 それでは、転職先探しでどのようなものが情報源として利用されているのでしょうか。
 全回答者(1,000名)に、これまでの転職で、転職先を探すために利用したことがあるものを聞いたところ、最多は「ハローワーク」63.3%で、次いで「友人・知人からの紹介」37.7%、「転職情報誌」35.3%、「転職サイト」29.1%、「新聞の採用チラシ」28.4%が続きました。
 年代別にみると、「友人・知人からの紹介」(20代24.8%、30代35.2%、40代43.6%、50代47.2%)は世代が上がるにつれて利用率は高くなり、「転職サイト」(20代44.0%、30代34.8%、40代24.4%、50代13.2%)では若い世代ほど利用率は高く、転職先探しで50代が利用したことがあるものは、「友人・知人からの紹介」が半数近く、「転職サイト」は1割強という結果となりました。

 また、全回答者(1,000名)に、これまでの転職で、転職する際に役に立ったと思うものを聞いたところ、「資格」47.7%が最多で、「職歴」44.3%、「コミュニケーション能力」38.5%が続き、「第一印象・見た目」も32.7%と3人に1人の割合となりました。
 年代別にみると、20代では「第一印象・見た目」が42.8%で他の世代(30代31.2%、40代27.6%、50代29.2%)に比べ高く、「年齢」でも41.6%と他の世代(30代23.6%、40代20.8%、50代18.8%)に比べ高くなりました。また、40代では「職歴」が55.6%で他の世代(20代34.4%、30代44.0%、50代43.2%)よりも役に立ったと思う割合が高い結果となりました。

<3>転職理由

◆転職理由 「仕事内容」が「給料」や「労働時間」を上回る
 正規雇用から正規雇用では「仕事内容」が上位、非正規雇用から正規雇用では「長期雇用の保障」が上位
 非正規への転職では「労働時間」「職場の人間関係」が上位に

 全回答者(1,000名)に、直近の転職について、転職理由を聞いたところ、最多は「(現職が)希望する仕事内容だった」32.6%、次いで「(前職では)仕事内容に不満があった」31.2%、「(前職では)職場の人間関係・風土に不満があった」29.3%、「(現職が)希望する労働時間だった」27.0%、「(前職では)給料に不満があった」26.8%、「(前職では)労働時間に不満があった」25.2%が続き、仕事内容を転職理由とした割合が最も高く、給料や労働時間を理由とする割合を上回りました。

 これを転職のパターン別(前職と現職の雇用形態の組み合わせによって、次の4つのグループに分類。「正規雇用→正規雇用層」、「非正規雇用→正規雇用層」、「正規雇用→非正規雇用層」、「非正規雇用→非正規雇用層」)にみると、各層の結果では、それぞれの特徴がみられました。

 まず、【正規雇用→正規雇用層】の転職理由についてみると、最多は「(前職では)仕事内容に不満があった」34.0%、次いで「(現職が)希望する仕事内容だった」32.2%と、”仕事内容”が上位2位項目となり、以下、「(前職では)給料に不満があった」29.6%、「(前職では)職場の人間関係・風土に不満があった」28.0%、「(前職では)労働時間に不満があった」27.2%が続きました。
 次に、【非正規雇用→正規雇用層】の転職理由についてみると、「(前職では)長期雇用の保障がなかった」39.5%が最多、「(現職が)長期雇用の保障があった」38.7%が続き、”長期雇用の保障”が上位2位項目となり、「(現職が)希望する仕事内容だった」36.3%、「(前職では)給料に不満があった」33.9%、「(現職が)希望する就業形態だった」32.3%が続きました。

 そして、非正規雇用へ転職した【正規雇用→非正規雇用層】と【非正規雇用→非正規雇用層】の転職理由についてみると、どちらの層も”労働時間”が最多で、次いで”職場の人間関係・風土”が上位2位項目となりました。それぞれについてみると、【正規雇用→非正規雇用層】では、「(現職が)希望する労働時間だった」38.8%、「(前職では)職場の人間関係・風土に不満があった」36.5%で、【非正規雇用→非正規雇用層】では、「(現職が)希望する労働時間だった」38.7%、「(前職では)職場の人間関係・風土に不満があった」33.2%でした。

<4>転職の評価

◆前職と比較した現職の評価 「給料が改善」4割

 次に、現在転職活動中の23名を除く977名に、現職について前職と比較し評価してもらいました。
 まず、転職理由の上位となった仕事内容、職場の人間関係、労働時間、給料について、前職と比較した現職の評価をみると、《希望する仕事内容である》は60.1%、《職場の人間関係に満足である》は55.7%、《労働時間に満足である》は56.2%と半数以上が『あてはまる』としましたが、《給料がよくなった》では40.7%にとどまりました。
 前職と比較した現職の評価について、他の項目をみると、《仕事と家庭の両立ができる》58.4%、《性別によって処遇に差はない》54.3%などでは半数以上が『あてはまる』としましたが、《スキルアップができる》では46.0%、《自分への評価に満足である》は44.6%と半数に満たない結果となりました。仕事内容や職場の人間関係、労働時間など職場環境に関する項目に比べ、自分への評価や給料に関する項目では低くなりました。


連合(日本労働組合総連合会)(PDFファイル)


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