2013年 新入社員モチベーション調査-「べき志向」を外し、意思を問う

経営コンサルティングを手がける株式会社リンクアンドモチベーション(東証一部、本社:東京都中央区、代表:小笹芳央、以下LM)の研究機関『モチベーションエンジニアリング研究所』は、2013年の新入社員に対してモチベーションに関するアンケート調査を行いました。

新入社員の入社動機および有効なモチベーションマネジメントを調査することによって、企業と新入社員との望ましい関係の在り方を探るという目的のもと、LMが提供する新入社員研修の受講者に対して調査したものです。

当調査は、新入社員研修の現場から見えたリアルな考察と、新入社員を受け入れる側の観点についても併せてご報告しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

 

■調査概要

【調査名称】「2013年 新入社員モチベーション調査」
【設問概要】
LM独自の「組織への所属動機となる8つのモチベーションファクター」
「ワークモチベーションを高める16のモチベーション効果」をもとに構成した設問:40問
<内訳>
質問1、入社動機(モチベーションファクター)に関する質問:8問
質問2、モチベーション向上のポイント(モチベーション効果)に関する質問:32問
【回答形式】 無記名マークシート形式
【対象人数】 4,238名 ※2013年度入社の新入社員で、LMが提供する新入社員研修の受講者
【調査期間】 2013年3月30日~4月13日

 

■調査結果サマリー

●入社動機(=組織への所属動機)

素敵な上司や先輩の存在と貢献を実感できる「ありがとう」の言葉を求めて入社を決断している
(結果)会社の”仕事内容”(仕事を通じてやりがいを感じられること)”事業内容”(事業の意義や将来性を感じられること)の魅力が高く、安定性や”制度待遇”(評価や待遇が適切・公平なこと)の魅力が低い。

 

●有効なモチベーションマネジメント(=モチベーション効果)

ありがとうの言葉や仕事を通しての貢献実感、憧れの存在や真似したい上司や先輩を求めている
(結果)”サンクス効果”(貢献を実感する機会を設定すること)が最も高く、 “ロールモデル効果”(理想の人を設定すること)が 2番目に高い。

 

高業績者の集まりや有望人材の選抜研修、習慣化された決まりごとや学びの振り返りは求めていない
(結果)”ファーストクラス効果”(集団内における特権を与えること)が最も低く、”ルーティン効果”(行動を習慣の中に組み込むこと)が2番目に低い。

 

■新入社員研修の現場より

LMが提供する新入社員研修の現場から見えた今年の新入社員の特徴は下記の2点。

 

【1】役割を固定し過剰適応する

自身が設定した役割に対しては忠実に遂行するが、役割外のことには意識も向かず行動もしないというシーンや、自分なりに設定した基準を満たすと満足し、顧客役から求められている基準に達しないというシーンが散見された。総じて、固定した役割に対し過剰適応してしまう傾向が見られた。

 

【2】ウチ向きの調和を重視する

同じチームにいる仲間との調和に過度に意識を払い、チームの調和を乱すことを躊躇するシーンや、コミュニティの外の存在(=顧客役)に対して意識が向かず、顧客役の意図を汲めずに結果としてチーム内に不調和をきたすといったシーンが散見された。総じて、ウチに対しての意識は高いが、ソトに対しての意識は低いという傾向が見られた。

 

■受け入れ側に求められること

●多様な視点からのフィードバック

役割を忠実に全うするということは、真面目であるとも言える。異なる視点からのフィードバックを行い、自身が設定してしまっている「枠」に気づけば、「枠」を外せる素直さを持ち合わせている。

実際、研修で他者からのフィードバックを受けるプログラムでは、自身の「枠」を外し真摯に向き合う場面も多く見られた。また、有効なモチベーションマネジメントとして「フィードバック効果」が調査項目の上位に入っていることからも有効性が裏付けられる。先輩や上司といった異なる視点からの適切なフィードバックは、新入社員が殻を破るきっかけとなるだろう。

 

■「べき志向」を外し、意思を問う

新入社員は、自身が設定した役割への過剰適応により、「この役割ではこうすべき」という「べき志向」の強い思考パターンに陥りがちである。このような新入社員に対しては、先輩や上司が目的に応じて柔軟に役割や行動を変更するなどのお手本を引き出すことが大切であると考えられる。「ロールモデル効果」が上位に入っていることを上手く活用したい。

ただし「正解探し」に陥らないよう、「君はどうしたいのか?」とあわせて問うことで新入社員自身の意思を引き出すことが大切である。最終的には、自分で作った枠を自分の意思で壊して、はじめて自立的な成長が始まるのである。

MSN産経ニュース


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