IT開発者にとって快適な職場環境を実現する10のポイント

 開発者たちの生産性というものは、彼らのニーズをどの程度満足させるのかによって良くもなるし悪くもなる。

 雇用者の多くは、オフィス環境が従業員の生産性や彼らの幸福度に結びついているということについて、あまり考えていない。筆者はIT関連の職業についてしか断言できないものの、適切な作業環境を作り出すことが従業員の幸福度と生産性を保つ大きな分かれ目になると実感している。本記事では、開発者たちのための作業環境を作り出そうとする際に考慮しておくべき10のポイントを解説する。

#1:人間工学に重点を置いたオフィス

 ソフトウェア開発者という人種は、コンピュータの前で長時間過ごしがちであるため、オフィスの人間工学に重点を置くことが重要となる。このため上質の机と椅子、そして適切な照明やコンピュータ機器を用意することで、1日を通じて生産性の向上に大きく寄与できるようになるというわけだ。

#2:高品質な機器

 会社としては安価なコンピュータ機器で全社的に標準化しておきたいというのが本音だろう。結局のところ、ほとんどのコンピュータに搭載されているハードディスクやCPUは待機している時間の方が長く、RAMを使い切るようなこともめったにない。たいていのユーザーの仕事は、1台のディスプレイ上でアプリケーションを1つ実行させるだけで済む。しかしその一方で、開発者はそれ以上の処理能力を必要とする。ハードディスクはさまざまなデータで埋め尽くされ、CPUやメモリは大規模プロジェクトでの開発中、特にテスト時やコンパイル時に極限まで使用される。そして、画面領域は貴重なリソースとして扱われるため、机の上にディスプレイがたくさん置かれているほど良い環境ということになる。また、KVMスイッチ、そしてテストを行うための追加のコンピュータやデバイスといったもの(Windows主体の企業であればMac、あるいはさまざまなスマートフォンやタブレットなど)も必要になるかもしれない。

#3:プロジェクトの利害関係者やユーザー、アナリストとの意思疎通

 ソフトウェア開発プロジェクトでは、疑問が出てきた時に適切な答えを迅速に得る方法がない場合、すなわち複雑な組織階層をたどった末に要領を得ない答えしか得られないという場合に大きな問題が発生する。顧客企業の最高経営責任者(CEO)の携帯電話番号をプログラマーたちに知らせておく必要まではないものの、彼らが何人もの取り次ぎを通すことなく、正しい答えに迅速に、かつ間違いなく到達できるようにするための手段を知らせておく必要がある。

#4:作業空間の調整可能性

 万人が納得する座席配置というものはあり得ない。よくある問題の例として、画面上に窓や照明が映り込むというものがある。チームの求めに応じて作業空間の微調整をできるようにしておくことで、彼らに対して可能な限りの快適さと生産性をもたらせるようになるはずだ。

#5:プライバシーの尊重

 開発者たちはオフィスの狭い一角に集まって作業することになるため、それによって発生するプロジェクトの生産性低下は思いのほかに大きくなりがちだ。だからといって、広い空間を用意すればよいという話ではない。ソフトウェア開発は長時間にわたって集中を要する作業であり、すぐ隣から話し声が聞こえてくるだけで精神集中が途切れてしまう。といっても、防音対策済みの個室を彼ら全員に用意できないことは明らかだろう。しかし、プライバシーを尊重すればするほど、彼らの生産性は上がるのである。現在は「オープンフロア方式」がある種の流行になってきている。だが、こういった方式を好む開発者は筆者のまわりにほとんどおらず、多くの人々は大きな問題があると感じている。

#6:臨機応変に非公式な打ち合わせを実施できる場所

 人は作業時にプライバシーを必要とする一方で、情報やアイデアを共有する場所も必要とする。プログラマーは、しょっちゅう非公式な打ち合わせを行っているはずだ。そういった場で、何らかの質問や仕様の確認を行う必要があるためだ。このため、打ち合わせ用の適切な場を提供しなければ、彼らは廊下といった、落ち着いて話のできない不便な場所で打ち合わせを行うようになるだろう。こういったことのないよう、打ち合わせを行えるだけの十分な大きさのオフィスを提供するか、予約の要らない小さな会議室をいくつか用意しておくようにしてほしい。

#7:ホワイトボードやスケッチブックの用意

 コードについて議論する際、図や表を多用することもしばしばある。筆者の経験から言っても、プロジェクトに関する議論を行う際に、自らの考えを図や表で表現するための道具があるかどうかで開発者の仕事ぶりが大きく異なってくる。ホワイトボードや大きなスケッチブックは、こういったプログラマーたちの共同作業を円滑にするための安価な方法となるだろう。

#8:快適な環境

 残業の必要性が何度も出てくるプロジェクトの場合、オフィスに残って長時間仕事をする人々のために用意しておくとよいものがある。休憩室にさまざまな種類のコーヒーや紅茶、スナック(健康的なスナックも常備しておくように!)をふんだんに用意しておくのである。こういった考慮は特に、飲食物を手に入れるために車で近くのガソリンスタンドやコンビニエンスストアに行かなければならない場合や、空腹のままで仕事を続けなければならない場合に効果を発揮するはずだ。

#9:IT部門のサポート

 残念なことに、開発者のニーズは多くの場合、IT部門のニーズや目標、制約に縛られる。例を挙げると、開発者たちはアプリケーションのテストを行うためにさまざまなコンピュータやデバイスを必要とする。しかし、IT部門は標準設定の数を絞り込もうとするとともに、想定していないデバイスを接続した混在環境を作り出すことがリスクにつながると考えている。また、IT部門は開発者が望んでいない設定(ローカル管理者特権を設定しないなど)やアプリケーションをシステム内で使用するよう要求する場合もしばしばある。これは誰が「正しい」のか、そして誰が「間違っている」のかという問題ではない。これは実際のところ、まったく異なったニーズによって引き起こされる摩擦でしかない。このため開発者たちが効率的に作業を行えるようにするには、IT部門がセキュリティ面やコスト面の管理目標を満足できるようにしながら、IT部門からの協力を最大限に引き出せるようにすることが重要になってくるわけである。

< h2>#10:互いが尊重し合える環境

 ここ1年くらいの風潮として、仕事場に流行やファッション性を取り入れるという名目でひどい環境を作り上げてしまおうとする「brogrammer」(「相棒」(bro)と「プログラマー」を組み合わせた造語であり、職場に男子寮的なノリを持ち込むプログラマーのこと)の話を目にするようになった。筆者が読んだ話に出てきた職場は、明らかに法に触れるばかりでなく、あなたが「やんちゃ小僧」でもない限り不愉快に感じられてしまうようなものだった。こういった職場は、あなたが女性や30歳以上の男性なのであれば不快に感じなかったとしても当惑してしまうはずだ。

 こういった「男子寮的」な職場環境にならないよう気を付けるだけでなく、さまざまな人々が許容でき、尊重できる環境を作り出す必要がある。その理由(分別や倫理といった明らかなものは当然として)は簡単だ:プログラマーたちはさまざまな文化や背景、環境で育ってきているのである。このため、仕事を実際にやり終えることのできる職場環境を作り上げたいのであれば、互いが尊重し合えるような態度を育成する必要があるというわけだ。それだけのことなのだ。

 

CNET Japan

logo
株式会社デルタマーケティング
〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-8-2 いちご桜橋ビル3階
TEL03-4580-1234 FAX03-4580-1235
お問合わせ・ご相談は電話または、メールフォームにて受け付けております。
受付9:00~18:00TEL03-4580-1234 webからのお問合わせはコチラ

© 2018 株式会社デルタマーケティング All Rights Reseved.