高裁でも会社の責任認定、4,380万円の賠償命令-精神疾患による飲酒死亡は過労が原因

システムエンジニアの男性(当時25歳)がアルコールの過剰摂取により死亡したのは過労による精神疾患が原因だとして、両親が会社に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が平成24322日、東京高裁でありました。

 約5,960万円の支払いを命じた一審東京地裁判決に対し、二審では「睡眠不足の解消に努めるべきだったのにブログやゲームに時間を費やした」として約4,380万円に減額したものの、一審同様、会社側の責任を認めました。

 この男性は平成189月、無断欠勤をして河川敷でウイスキーなどを多数飲んで死亡しました。死亡前の2カ月の時間外労働はいずれも100時間を超えていました。判決では、こうした長時間労働や配置転換などから心理的負担が過度に蓄積した結果、うつ病などを発症して正常な判断ができなくなった状態で大量に飲酒したと判断し、「上司らが長時間労働を把握していながら適切な措置をとらなかった」と会社の責任を認めました。なお、本件については、平成1910月に労災認定されています。

 

100時間超の時間外労働に注意

 過労死をめぐる訴訟で、精神疾患による急性アルコール中毒死に対する会社の責任が認められるのは初めてということです。賠償金額の減額理由にもあるとおり、ブログやゲームにも時間を費やしており、睡眠時間も取れないほどの長時間労働ではなかったようですが、やはり月100時間を超える時間外労働が判決に大きく影響したようです。

  労働安全衛生法では、月100時間を超える時間外労働をおこなう労働者から申し出があった場合、医師による面接指導の実施を義務づけています。また、昨年末に改定された精神疾患の労災認定基準では、次のような長時間労働の評価基準が示されています。

 

 


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