退職勧奨拒否した社員への出向命令無効

会社からの退職勧奨を拒み、子会社に出向させられた社員2人が元の職場への復帰を求めた訴訟で、東京地裁は昨年11月12日、出向命令は人事権の濫用だとして命令を無効とする判決を言い渡しました。

 

◆設計開発から箱詰め・検品へ
事務機器メーカーR社は昨年5月、全社的な人員削減をおこなう方針を発表していました。7月には2人にも希望退職に応じるよう求めましたが拒否され、9月に子会社への出向を命じたものです。2人はR社において事務機器の設計開発などに従事していましたが、出向先の物流会社で指示された業務は商品の箱詰めや検品でした。裁判官は「出向先では立ち仕事が中心で、パソコンや机は支給されず、一貫してデスクワークをしてきた社員のキャリアや年齢に配慮しない異動だった」と指摘しています。「何度も退職
を迫った上で出向させており、「人選も不合理」「自主的な退職を期待しておこなわれた」などとし、人事権の濫用だと判断しました。

 

出向命令が有効と認められるには

出向は、元の企業の社員としての地位を維持しながら、他のグループ内企業や取引先企業などで就労させることをいいます。

就労先が変わるという点で労働者への影響が大きいことから、労働者の同意が必要とされていますが、就業規則などに具体的な定めがあれば、事前に労働者の「包括的な同意」があったものとして、必ずしも出向命令時に個別の同意をとる必要はないと解されています。ただしこの場合、出向先での労働条
件など労働者の利益に配慮した出向のルールが整備されている必要があります。
また労働契約法では、出向を命令できる場合でも、「出向命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして権利を濫用したものと認められる場合には、出向命令は無効とする」と定めています。つまり、①業務上の必要がない、②不当な動機・目的がある(人選が不合理など)、③労働者の被る不利益が大きい(賃金が大幅に減るなど)といった事情がある場合は、権利の濫用にあたり出向命
令が無効と判断されることがあるのです。

 

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