育休を取った年度を昇格に必要な年数を除外 昇格試験の機会を与得なかったのは違法

3ヵ月の育児休業を取得した男性看護師が、3ヵ月の不就労を理由に①職能給を昇給させなかったこと、②昇格試験の受験機会を与えなかったことは違法であるとして医療法人に30万円の支払を求めた裁判において、京都地裁は平成25年9月、②を違法として医療法人に15万円の支払を命じる判決を下しました。

 

育児介護休業法では、労働者が育児休業を取得したことを理由として、解雇や減給、降格など労働者に不利益な取り扱いをしてはならないと定めています。事業主がこうした不利益な取り扱いをおこなえば、労働者は育児休業の取得をためらい、法律で保証された権利が実質的に意味のないものになってしまうからです。
本件では、育児休業による3カ月の不就労を理由に職能給の昇給をおこなわなかったことと昇格試験を受験させなかったことが、「育児休業を取得したことによる不利益な取り扱い」に該当するかどうかが問題となりました。医療法人の規定では「育児休業中は本人給のみの昇給とする」と定めており、それに従って4月の定期昇給では、男性看護師の「本人給」は昇給したものの「職能給」は昇給しませんでした。

 

また、不就労が3ヵ月に及んだために、その年度が昇格試験の受験に必要な標準年数に算入されず、受験資格がないという理由で、昇格試験を受験することができませんでした。
根拠がなく違法判決では、昇給については、3カ月という評価期間の4分の1に過ぎない
期間を就労しなかったことによって、従業員の能力の向上がないと形式的に判断し、一律に職能給を昇給しないという点の合理性には疑問が残るものの、経済的な不利益はわずかであり違法とまでは言えないとしました。

 

一方、昇格試験を受験させなかったことについては、医療法人の人材育成評価システムのマニュアルに「育児休業、休職等により評価期間中における勤務期間が3ヵ月に満たない場合は評価不能として取り扱う」旨の定めがありましたが、男性看護師の勤務期間は9ヵ月であり、実際に評価がおこなわれていたことから、育児休業を取得した年度を昇格試験に必要な年数に算入しないことには根拠がなく違法であると判断しました。

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