企業名公表制度も創設 パートタイム労働法が変わります

厚生労働省は、4月23日、パートタイム労働法の一部を改正する法律を公布しました。公布日から、1年以内に施行される予定です。主な改正点を見ていきましょう。

 

◆正社員との差別的取り扱いが禁止されるパートタイマーの範囲を拡大

これまで、下の①~③すべての要件を満たすパートタイマーについては、賞与・退職金を含めた賃金や福利厚生など一切の差別的取り扱いが禁止されていました。
しかし、実態調査によると3つの要件を満たす者はパートタイマー全体の1.3%に過ぎず、均衡待遇に向けた改善が見込めないと指摘されていました。そこで今回、要件③が廃止され、対象範囲が拡大されることになりました。改正後は無期・有期を問わず、①②の要件を満たしていれば一切の待遇について正社員との差別的取り扱いが禁止されます。

【現行】
①職務の内容が正社員と同一
②人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一
③無期労働契約を締結している(または有期契約の反復更新により無期契約と同視できる状態)

【改正後】
①②が同一であれば、正社員との差別的取り扱いが禁止される

 

◆短時間労働者の待遇の原則

広くすべてのパートタイマーを対象とした「待遇の原則」の規定が創設されます。事業主がパートタイマーの待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないというものです。

改正後は、パートタイマーの待遇に関するこうした一般的な考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図っていくことになります。

 

◆雇い入れ時の説明義務

事業主は、パートタイマーを雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。例えば次のような内容です。

〔例〕
●賃金制度はどうなっているか
●どのような教育訓練や福利厚生施設の利用の機会があるか
●どのような正社員転換推進措置があるか

 

◆パートタイマーからの相談に対応するための体制整備

事業主は、パートタイマーからの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなります。例えば次のような体制が考えられます。

〔例〕
●相談担当者を決め、相談に対応させる
●事業主自身が相談担当者となり、相談対応をおこなうなど

 

◆過料や企業名公表制度の創設
これまでパートタイム労働法については雇い入れ時の文書交付義務に違反した場合に10万円以下の過料が定められていました。

今回の改正では、これに加えて、パートタイム労働法全体に関して違反がある場合に、行政の指導に対して虚偽の報告等を行った事業主に20万円以下の過料が科せられます。

また、パートタイム労働法に違反し、厚生労働大臣の勧告にも従わなかったときは、その旨を公表できる制度も設けられます。

 

◆企業に厳しい判決も

現実には、正社員とパートタイマーの業務内容に差がない職場も多いでしょう。

転勤など実際にはほとんどないにもかかわらず、就業規則で正社員は転勤の対象としておくだけで要件②「人材活用の仕組み」が異なるとして賃金格差等があっても問題ないと解釈している会社も多く見受けられます。

しかし、こうしたケースで「人材活用の仕組みが正社員と同一」と判断された裁判例も出てきています。この判決では、パートタイマーに対して正社員との賞与差額、退職金の支給差額などを支払うよう会社に命じています。

企業はそろそろ正社員とパートタイマーの均衡待遇に真剣に取り組まなければならない時期に来ているのです。均衡待遇が無理なのであれば、正社員とパートタイマーの仕事を明確に区別するなど労務管理を徹底していくことが必要でしょう。

 

●パートタイム労働法改正のポイント
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1.正社員との差別的取り扱いが禁止されるパートタイマーの範囲を拡大
2.「短時間労働者の待遇の原則」の新設
3.「雇い入れ時の説明義務」の新設
4.「パートタイマーからの相談に対応するための体制を整備する義務」の新設
5.過料や企業名公表制度の創設
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