解雇は簡単?賃金は? 限定正社員の普及に向けてルールを整理  

「限定正社員難」制度の普及に向け議論を進めている厚生労働省の有識者懇談会が、7月11日、報告書案をまとめました。厚生労働省は報告書をふまえて企業が限定正社員制度を導入する際の留意点をパンフレットにまとめるほか、事業者向けのセミナーを開くなど周知を図る方針です。

※報告書案では「限定正社員」のことを「多様な正社員」と表しています。

 

 

◆正社員と非正規の中間

「限定正社員」とは、職種・勤務地・労働時間等が限定された正社員のことです。従来型の正社員と、パートタイマーなど非正規社員の中間的な働き方と言えます。従来型の正社員の場合、職種や勤務地の変更、残業命令があれば基本的に従わなければならず、労働者にとっては不本意な転勤や長時間労働などから家族やワーク・ライフ・バランスが犠牲になるといった不満がありました。

「限定正社員」という選択肢が増えれば、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、子育てや介護中の労働者中の雇用が安定すると期待されています。また、いったん非正規労働者になってしまうと、いつまでも正社員になれず不安定な状態が続くという問題がありますが、いきなり正社員への登用は難しくても、まず限定正社員への登用であれば企業としても導入しやすいのではないかと期待されています。

企業にとっても、従業員のモチベーションアップ、優秀な人材の確保などの面でメリットが期待できます。しかし一方で、限定をつけるかわりに正社員との賃金差はどれくらい許されるのか、契約で決めた勤務地や職務がなくなった場合は解雇してもよいのかといった点がクリアにされておらず、リスクに敏感になり導入に二の足を踏む企業が多いことが普及が進まない原因と考えられています。そこで厚生労働省では、限定正社員の導入を促進するために、解雇ルールや賃金などの処遇について、企業へのヒアリングや過去の判例分析によって問題の整理をおこないました。

 

 

◆簡単に解雇できる?

報告書案では、整理解雇の場合に使用者が留意すべき点をあげています。結論としては、勤務地や職務が限定されていても、事業所閉鎖や職務がなくなった場合に解雇が簡単にできるわけではなく、配置転換などの解雇回避努力が求められると示されました。ただし、高度な専門性をともなう職務限定などの場合には、配置転換に限られず、退職金の上乗せ、再就職支援などをもって解雇回避努力を尽くしたとされる場合があります。

 

 

◆正社員より少ない賃金でいい?

賃金水準については、企業ごとに労使で十分に話し合って納得性のある水準とすることが望ましいとしながら、限定正社員の賃金水準は、正社員の8割から9割超としている企業が多いことを示しています。

 

 

◆ユニクロ、スターバックスでも

「多様な形態による正社員」に関する研究会報告書によると、限定正社員制度を導入している企業は約5割。そのうち職務限定正社員を導入する企業は約9割、勤務地限定は約4割、労働時間限定は約1~2割となっています。

最近では、ユニクロを運営するファーストリテイリングやスターバックスコーヒージャパン、日本郵政などで多数のアルバイトや契約社員を限定正社員に登用することが報道されました。柔軟な働き方を認めた上で正社員に登用することで、組織の競争力を強化しようという動きが広まっています。

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