ストレスチェックの実施方法について報告書を公表

厚生労働省は、労働安全衛生法の改正により本年12月から義務付けられる「ストレスチェック」の具体的な実施方法などについて検討結果を取りまとめ公表しました。

 

◆職場の環境改善が目的

ストレスチェックとは、労働者の心理的な負荷の程度を把握するために医師または保健師等によっておこなわれる検査です。これがすべての事業所に義務付けられます(ただし、従業員数50人未満の事業所は当分の間努力義務)。ストレスチェックの目的は、労働者の気づきを促すとともに、労働者のストレスの程度を把握することで職場環境の改善につなげていくことです。ストレスチェックを実施した場合、企業は検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施する必要があります。面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要に応じて作業転換などの就業上の措置を講じなければなりません。

厚生労働省では、この法律改正のために検討会を設けて、具体的な制度の運用方法などについて検討をおこなってきました。今回公表されたものはこの検討会の報告書です。この後、厚生労働省では、報告書をもとに省令や指針などを策定していく見込みです。

 

◆年1回以上、医師等により実施

報告書では、ストレスチェックは年1回以上実施するものとし、実施できる者は医師、保健師のほか一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士となっています。ストレスチェック項目は、3つの領域(仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポート)を含めることを必須とし、標準項目として、旧労働省が委託研究により開発した「職業性ストレス簡易調査票※」を示すとしています。ただし、標準項目を参考に各企業が独自に項目を選定することもできます。

※旧労働省が東京大学大学院の川上教授らに委託し開発された57項目からなるストレスチェックの調査票。

 

◆本人同意は事後に限る

法律の定めにより、医師等ストレスチェック実施者は本人の同意なく検査結果を企業に提供することはできません。報告書では、結果を企業に提供する際の労働者の同意の取得方法は、事前の同意などは不適当で、次の2つの方法に限定すべきとしています。

①結果を本人へ通知した後に個々人ごとに同意の有無を確認する。

②本人から面接指導の申出があった場合に同意があったものとみなす。

 

◆結果は就業措置等に限定して用いる

面接指導を実施した場合、企業は医師から意見を聴き、必要に応じて就業上の措置を講じなければなりません。ただし、企業が入手した個人のストレスチェック結果については、就業上の措置を講じるために必要な範囲で限定的に用いるべきで、ストレスチェックの結果、面接指導を申し出たことを理由に労働者へ不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。さらに報告書では、次のような行為も禁止されるべきとしました。

①ストレスチェックを受けないことを理由とした不利益取扱い。

②ストレスチェック結果の提供に同意しないことを理由とした不利益取扱い。

③高ストレスと評価された労働者が面接指導の申出をおこなわないことを理由とした不利益取扱い。

④面接指導の結果を理由とした解雇、退職勧奨、雇用契約の不更新などの行為。

⑤医師の意見と著しく内容・程度の異なる措置(労働者の不利益となるもの)

 

ストレスチェックの結果は、本人にとってセンシティブ(機微)な問題ですから、取り扱いに十分に配慮しなければなりません。一方で、高いストレスがある者には就業上の措置を講じたり、職場単位で改善を求められることもあるため、社内の運用方法を慎重に検討しなければなりません。

 

◆ストレスチェック制度の概要

・年1回、医師または保健師等によるストレスチェックを実施

・検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施

・医師の意見を聴いたうえで、必要な場合には作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な措置を講じる


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