Global Career Survey―アジア8か国の若年者の就労実態を発表 ~リクルートワークス研究所~
リクルートワークス研究所では、世界で類を見ない試みとして、アジア8か国を含めた世界13か国の20代、30代大卒者の入・転職実態に関する調査を行いました。ここではアジアに焦点をあて、中国、韓国、インド、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、日本の調査結果をお届けいたします。
◆集計トピックス
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・就職経路
「大学」の割合が高いのがインド、中国、韓国
「就職サイト・情報誌」が高いのが日本、マレーシア、
「家族や知人の紹介」の割合が高いのがベトナム、インドネシア
・転職回数
インドネシアが1.64回と最も多く、マレーシア1.59回、タイ1.54回と続く
・初職の大きな退職理由
日本を除くすべての国で「賃金への不満」「労働条件や勤務地への不満」
・転職前後の年収変化
「増えた」割合は中国が83.7%と最も高く、インドネシア78.3%、インド75.9%と続く
・仕事をするうえで大切だと思うもの
日本を除くすべての国で「高い賃金・充実した福利厚生」が最多で、2番目は「明確なキャリアパス」が中国、インドネシア、「雇用の安定性」がインド、タイ、マレーシア、
「適切な勤務時間・休日」が韓国、「教育研修の機会」がベトナム
・2011年の年収平均
最も高いのは日本、年収のばらつきが最も大きいのはインド
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■【就職活動】大学卒業後の初めの就職先を見つけた経路
「大学」の割合が高いのが、インド(36.3%)、中国(36.1%)、韓国(32.2%)、
「就職サイト・情報誌」の割合が高いのが日本(37.7%)、マレーシア(34.7%)、「就職サイト・情報誌」と「家族や知人の紹介」が拮抗するタイ、
「家族や知人の紹介」が高いのが、ベトナム(36.2%)、インドネシア(30.2%)。
■【転職経験】これまでの転職回数
インドネシア(1.64回)が最も多く、マレーシア(1.59回)、タイ(1.54回)と続く。
最も少ないのが日本(0.87回)で、インドネシアの約半分である。ただし、いずれも1回前後と、大きな差とは言えない。
■【転職経験】転職回数分布(年代別)
20代では韓国と日本において、転職未経験者が7割超と多い特徴があるが、30代になるとほかの国と大差がなくなる。
タイ、マレーシア、インドネシアは、転職回数が多い人の割合が高いことに目が行くが、一方で、転職未経験者も一定の割合で存在する。
転職を繰り返す人と、全く転職をしない人に分かれるのである。
■【転職経験】初めの仕事を退職した理由
日本を除くすべての国で、「賃金への不満」と「労働条件や勤務地への不満」が大きな退職理由。日本では、「賃金への不満」で退職するのは5.1%にとどまる。
■【転職経験】転職前後の年収変化
多くの国で、「増えた」割合が高く、中国では8割強、インドネシアやインド、マレーシアでも7割超。日本は設問が違うため、単純比較はできないが、「増えた」「減った」が同率存在。
■仕事をするうえで大切だと思うもの(価値観)
日本を除くすべての国で「高い賃金・充実した福利厚生」が最多。
2番目に高い選択項目は、「明確なキャリアパス」が中国、インドネシア、「雇用の安定性」がインド、タイ、マレーシア、「適切な勤務時間・休日」が韓国、「教育研修の機会」がベトナム。
日本は1番目が「良好な職場の人間関係」で、2番目が「自分の希望する仕事内容」。
■2011年の年収(US$換算:レート換算基準日は2012年8月14日)
最も年収平均値が高いのは日本(46,177ドル)で、韓国(22,294ドル)が続き、
反対に、最も低いのはインドネシア(4,268ドル)、続いてベトナム(4,634ドル)である。日本はベトナムの約10倍。
各国内でのばらつきは、インド(1.57)が最も大きく、タイ(1.48)、インドネシア(1.38)、マレーシア(1.34)と続く。
反対にばらつきが小さいのは、日本(0.63)、韓国(0.74)。